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浮惑なカモメ 第十五話(最終話)

第六章(2) 季節は春になった。まだ肌寒い日の午後だった。「で……、挙式はいつさ?」 ぼくはおずおずと尋ねる。 more


浮惑なカモメ 第十四話

第六章(1) 暮れに野毛の丘の上の1LDKを解約して、  寿町の簡易宿泊所に移った。 それから、年が明け間もな more


浮惑なカモメ 第十三話

第五章(3) 「夕飯の支度してるの」恵美は、ほんとうに何事もなかったかのようにキッチンに立って仕事を始めていた more


浮惑なカモメ 第十二話

第五章(2)  九月になって、横浜に戻ってきた鉄ママから久しぶりに連絡が入る。「また商売するから、ねえ、たのむ more


浮惑なカモメ 第十一話

第五章(1)    何日かしてカルナバルのカウンターでサミーと再会した。 ぼくに責める気持ちは毛頭な more


浮惑なカモメ 第十話

第四章(2) 四時までまだ十数分はあったけど、『バスコダガマ』のウィンドウに汗ばむ自分の姿を映す。いつもよりも more


浮惑なカモメ 第九話

第四章(1) 八月の初めには、僅かな食い扶持だった馴染み客も縁が絶えていた。元締めだった鉄ママとはあの日から連 more


浮惑なカモメ 第八話

第三章(2)   タクシーを丘の上で降りて寝城までキラの手を引いて来ると、戸の前でキラはその手を解い more


浮惑なカモメ 第七話

第三章(1) あの夢が、いま形を変えてうつつのものになっているのか。「ワタシ、マダ 中国ニ帰レナイ……帰リタク more


浮惑なカモメ 第六話

第ニ章(3) チャイナタウン、香港路の精華飯店。中二階の角にぽつんと丸テーブルが設けられている。路地のネオンが more



自分のために~誰かのために、言葉とセンテンスの職人でありたいと 日々精進しているところです。

言葉から命を吹き込まれた語り人たる登場人物たちが、いつのまにかぼくから離れて個を象るとき、読者の皆様の傍にそっと寄り添わせてやってくださいませ。

あなたが死にたいくらいの時、彼らが少しの役にでもなるなら…

ぼくの幸せです。