チャンドラマ

-vol.20- □■バブルとスパイス■□

ーー2013年5月2日来訪ーー

vol20_kanban

 

新橋はカレーで有名な街というわけではない。
カレーを食べようとするならば、
SL広場の近くにゴーゴーカレーがあったり、
牛丼チェーンや立ち食いソバ屋さんでも食べられる。

なかには丹波屋のように立ち食いソバ屋にもかかわらず
本格的なスパイシーなカレーを出す店もある。

しかし、ナンで食べるようなインド料理屋となると
結構少ないのではないか。

と思うと灯台下暗しか
ニュー新橋ビルの4Fにチャンドラマという店があるではないか。


Smileからみると見上げる場所にあるわけだから
灯台”上”暗しか・・・


ここは、いわゆるインド料理屋である。

インド料理といえば、
カレーが思い浮かぶが
インドにカレーという料理はないそうである。

西欧の食は胡椒を求める文化があった。
これは1500年以上前から胡椒を求めている。
ひとつには味、そして保存にも効果があったからだ。

イスラム教徒が東洋の交易路をにぎってから
胡椒が西欧に入らなくなってしまったが
ベネチア人が交易関係を結んで流通させる

麻薬みたいだ。

やがて十字軍を率いてベネチア共和国が
コンスタンチノープル(いまのイスタンブール)
を攻略し胡椒の取引を独占的する。

シェイクスピアの有名な「ヴェニスの商人」は
こうした金の亡者なのだ。

独占された諸国も黙っていない
なんとか独自ルートをつかもうとする。
大航海時代である。

重商主義でも各国は東インド会社を設立して
植民地時代となる


こうした各国の攻防の後
流通が行き届くようになり、

胡椒の値段が下がり始めるのは
18世紀後半を待たねばならなかった。

こうしたインドとの交易などのかかわりの中で
インド人の食べているものが世界中に伝播していった。

国際通の方からよくきくのだが、
各国の両替商はなぜかインド人がやってることが多いという。

それはなぜであろう?

インドから来日する人も数多い

中国と比べて距離はあるものの、
インド料理の看板を掲げる店は多いことから
相当数の移民の方がいらっしゃるのだと推察する。


日本では、いわゆる”カレーライス”が明治期から
独自なアレンジと発展をとげて今日にいたっている。
なんといっても
企業努力の結晶ともいえる
カレー粉の発明が大きく寄与している。

インドになくて日本にあるものがカレー粉なのである。

してみると、本場であるはずのインドにはない
”カレー(curry)”とはいったいなんだろう。

語源としては
ヒンズー語説とタミル語説がある
ヒンズー語で薫り高いもの、おいしいものを表す
turcarriがイギリス経由で訛った
あるいは、
タミル語で米にかけるソース状のものをkariといい
それがポルトガル経由でヨーロッパに入ったときに
訛ったなど
諸説あり不明だ。


つまりは各国がインド料理を真似てアレンジした料理を
カレーというのであろう。

ビーフカレーは、牛を神と同等に扱うインドでは考えられない
というが、カレーである以上それもありなのである。

インド料理屋では正式には”カレー”も”カリー”もないのだ。

もうひとつ誤解を生んでるらしい料理に
サモサがある。
インドの揚げ餃子といわれるサモサだが、
実は中央アジアの料理だという。

マルコポーロの道を西へたどったあたりだ。

ラーメンの起源を求めていくと
どんどんマルコポーロの道を西にたどり
パスタと出会うという。

小麦粉料理であるこの餃子も
おそらくラザニアと出会うことであろう

といってもどっちが古い(起源な)のかは不明だ。

ヨーロッパとアジアがもつ”粉もの文化”は
雄大なスケール!
これにエキサイティングな香辛料の歴史が加わり、
食の一大ロマンを展開する。


さて、インド料理として思い出すのは
タンドールであろう。
ナンを焼く窯のことである。

ヨーグルト、香辛料をまぶしてつけた
鶏肉を串に刺して
この窯で焼いたものを
タンドリーチキンという。
インド北西のパンジャーブ地方の料理である。
鶏肉に揉みこんだヨーグルトの効果でやわらかに仕上がる。

パパドは、ひよこ豆から作った南インドの料理だ。

乳製品だが、
ヒンズー教徒は基本的に菜食主義なのである。
酒も飲まない。
なんでマトンや鶏はOKなのか
それはイスラム支配が続いた時代があるからだ。

じゃあ乳製品はOKなのか?
これにも少し誤解があって
私たちのいう菜食主義とちょっと違う。

ヒンズーの教えのひとつに不殺生がある。
ところが乳製品については殺さなくても摂取可能だからOKだ。

菜食主義ゆえに豆類を多くたべる
草自体を刈り取るわけでもないからだ。

誤解ついでに書くと
タクシーに乗ると会話の中で出てくるのが
バブルはもう起きないという話題。

しかし、それは実績を重んじていない考え方かもしれぬ。
2度あることは3度あるということなら
バブルは何度となく起きてきたのだから
起きないと考えるのはむしろ冒険かもしれぬ。

たとえばオランダで起きたチューリップをめぐる価格の高騰
これは清貧をモットーとするカルバン派でも起きるのだから
目も当てられぬ。

冷静なお国柄が収束を早くしたともいえる。
チューリップの球根に実質とは違う価格がついた。
過熱化したのは先物取引の導入が理由といわれる

お次はバブルの語源にもなった
南海泡沫事件である。

ヨーロッパでは戦乱が多く
イギリスは軍資金に窮した
それの金融ソリューションとして南海会社が登場。
スペインとの貿易をファイナンスしたが破綻する。

南海会社の株が急落したのは1720年。

同時代のダニエル・デフォーは、
コーヒーショップで株取引にも関与していたため
この事件を目の当たりにした。

小説にも、リアリズムとマニエリスムがある
前者はなるべく写実的に書こうとするが
後者は皮肉なようにやや過剰な描写をする。

なにが過剰になるか
それは、情報である。

デフォーの「ロビンソン・クルーソー」は
これでもかというくらいデータを浴びせてくる。

言葉と物、貨幣と価値は一対だ。
ただ、効率の良い取引のために信頼が伴わなくなる。

物に対して言葉が過剰になるとき
価値に対して貨幣が過剰になるのかもしれぬ。

その後 イギリスは、不動産バブルに見舞われたり、
鉄道狂時代を迎えたりする。


今はビックデータの時代、、、
とても危険な時代ともいえる。

いまは労働価値説が不安定だ。
働かなくても儲かる人がいるのはいつの時代も同じだが
一生懸命働いても食えない人がでて
ワークライフバランスという働き方の多様化もあり、
労働意欲の低下を感じる。

このチャンドラマ
「月の神様」という意味の店名なのだが、
IT会社(イーグルアイ)が経営母体のレストランだという。
980円の飲み放題があるのは安い!


パパドとビールを頼む。
見た目は辛くなさそうだが、とてもスパイシーだ。

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タンドリーチキンもうまい。
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カレーが出てくるまで時間がかかるが
インドでは、香辛料は直前に調合するのだから当然だろう。

チキンのキーマカリー
とライス
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マトンカラヒだ。

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このカラヒは家庭でもおなじみの味で
各家庭でご自慢の味があるらしい。


辛いものを食べるとなんだか元気になる。

景気なんて理論でなく気の持ちようだ。

スパイシーに経済が立ち直っていくことを願う。

参考:チャンドラマ

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これまでのコメント

  1. ヤーマン! より:

    ブログ読みました(^o^)インドにカレーがないのわ驚きでした!でもそれを調べあげたスマイル店長の方が、もっと驚きです!あとインド料理と聞いて、「タンドール」わ思い浮かびません(*`Д´*)笑!私だけかー(笑)!でもカレー美味しそうですねっ♡*私あんまり政治とか詳しくないけど、今株で儲かってる人をテレビでよく見るので、バブル寄りなんでしょうかー(´・ω・`)?私の周りも潤わないかと切に願う今日この頃です☆*ヤーマン!!

    • admin より:

      ヤーマンさん♪

      カレーって 凄く身近にあるものの謎が多いです。
      世界の人々を魅了するこの料理。
      謎が多いけれど一歩一歩確認するのは楽しくもあります。

      バブル寄りといえばいえなくないですね・・・
      株が上がっても設備投資までは増えていないようですし、
      円安なのに輸出はそれほど伸びてないです。
      でも、景気なんて 本当に気の持ちようです。
      みんなの気持ちが上がれば必ず上がります。
      身近な人々も一歩一歩潤えばいいですね!
      いつもコメントありがとうございます!

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